会長挨拶
第14回日本成人脊柱変形学会
会長 小澤 浩司
(東北医科薬科大学医学部 整形外科学 教授)
この度、第14回日本成人脊柱変形学会を2024年3月23日(土)に仙台国際センターで開催させていただきます。本学会の会長として運営させて頂ける事を大変光栄に存じます。
日本で高齢化率が21%を超え、超高齢社会を迎えたのが2007年です。その頃より、脊椎外科の分野では成人の脊柱変形が大きな注目を集めるようになりました。そして成人の脊柱変形に特化した学会として2011年に第1回日本成人脊柱変形学会が鈴木信正会長のもとで開催されました。2040 年に向けて日本の高齢人口はピークを迎えますが、それ以降も高齢化率は上昇を続けると予測されています。したがって成人脊柱変形の患者はさらに増加し、高齢化していきます。学会の重要性はますます高まると思われます。
本学会のテーマを「超高齢社会の脊柱変形治療」としました。手術手技の低侵襲化、術後管理の改善などにより、大きな負担をかけることなく手術を行えるようになったのはもちろん、予防医学の進歩により内科的には健康な患者が増えていること、何より患者が高齢になっても、しっかり歩いて過ごしたいという熱意をもっていることで、超高齢の患者に手術を行うことが増えています。本学会では、このような超高齢者を治療する上での課題を議論したいと思います。
近年、学会では手術治療のみならず、病態、保存療法、患者評価など多岐にわたるを議論してまいりました。また、最近、胸腰椎のみならず、頚椎の後弯や首下がり病の患者が増えております。そこで、本学会の主題を「超高齢者脊柱変形手術における課題」、「頚椎後弯症・首下がり症の病態と治療」、「脊柱後弯症の多面的評価」、「脊柱後弯症の病態からみた治療法の選択」としました。プログラムは、教育研修講演、シンポジウム、共催セミナー、主題、一般演題、ハンズオンセミナーで構成いたします。
本学会は2025年からJapan Spine Weekが始まるため、単独で開催される最後の会になります。Japan Spine Weekでは学会の会場は大都市圏に限られます。どうか早春の仙台を訪れ、自然や料理を楽しんでいただければと思います。皆さんと本学会でお会いできることを楽しみにしております。